A Pinch of Salt ~ コーデリアの塩

「リア王」と「シンデレラ」のお話の元になったといわれるイギリスのおとぎ話から

リア王(King Llyr)が3人の娘に尋ねました。
「おまえたちはどれくらい私のことを愛してくれているのか。」
長女ゴネリル(Goneril)と次女リーガン(Regan)は言葉巧みに父王を喜ばせましたが、末娘の心優しきコーデリア(Cordelia)はただこう答えました。
"As fresh meat loves salt." 「焼きたての肉が塩を愛するように、お父様のことを愛しています。」
リア王はコーデリアが自分を愛していないと思い込み、彼女を追放してしまいます。
コーデリアは美しい服の上に古くて汚い上着と帽子を身に付けさまよいますが、キッチンメイドのレティ(Letty)と出会い彼女の働く大きな宮殿へ。お鍋を上手に洗えたので意地悪な女料理長Sourdough(サワードウ)の下、台所で一緒に働くことになります。パット・フラットキャップ(Pat Flatcap)と名前を変えて。

宮殿のパーシバル王子(Prince Percival)の誕生日パーティの夜。料理人たちは大ごちそうを作ります。古上着と帽子を脱ぎ捨てたコーデリアは王子と踊り、その美しさで王子を魅了しますが名前も告げずどこかに去っていきます。皆で王子と踊った美しい貴婦人を探しますが見つけることができません。

コーデリアに会いたい一心の王子は翌日もパーティを催し、やっと再会しますがまたも逃げようとするコーデリア。台所でコーデリアを見つけた王子はプロポーズして指輪を渡します。が、結局今度も逃げられてしまいました。王子はこの愛のために死ぬかもしれないと話しますがコーデリアはその言葉が本当か確かめたいと思っているのです。

王子は恋の病で寝込んでしまい何も食べられなくなり、だんだん弱って死にそうになります。心配した料理長が準備したおかゆの中にコーデリア(パット)は王子にもらった指輪をそっと隠します。指輪に気づいた王子はキッチンメイドのパットがその女性とわかりますが愛の深さは変わりません。コーデリアは王子の本当の愛を確認しました。

気のいいレティは料理長に昇格、意地悪なサワードウはキッチンメイドに格下げ。

さて皆が集まった結婚式。今や長女にも次女にも見捨てられ、年老いて目も見えないリア王も招かれました。コーデリアは宴の全ての料理に塩を使わないよう頼み、父を見守ります。

塩気のないひどい味の料理を口にするとリア王はわっと泣き出しました。コーデリアがどれほど自分を愛してくれていたのかを初めて理解できたのです。

"I love you as fresh meat loves salt."「焼きたての肉が塩を必要としているように、お父様のことを愛しています。」
コーデリアは、改めて自分が何にも代えがたいほど父を愛していることを告げるのでした。